お金を払って学ぶ意味
様々な講座や研修会などで勉強をする場合は必ず受講料が発生する。
私が代表を務める公務員の試験対策教室は、非常に人気で連日多くの問い合わせをいただいている。
おそらく元公務員ということや元大学のキャリア支援担当者としての実績なども見ていただいていると思う。非常にありがたいことである。
問い合わせもたくさん増えてきた中で、たまにある共通する質問をもらうことがある。
それは「無料体験期間だけやりたい」や、「お金が発生するなら自分でやる」という問い合わせである。
特に高校生などの若い世代からの問い合わせもあるが中には大学生や社会人の方からも同様の問い合わせをいただくことがあるので、非常に心配になってくる。
まずそもそもなぜ「時間」と「お金」を比較しお金を取るのかが理解できない。
私自身10年間以上の公務員受験経験を経て数々の失敗をたくさんしてきた。
また実際の公務員採用試験に関わった経験や大学での学生の数々の失敗も沢山見てきた。ある意味では人生と膨大な時間を費やしたトライ&エラーである。
この膨大な時間を費やして経験したトライ&エラーを、お金を支払って学ぶ。つまり「時間」を買うということである。
ここでもしお金がもったいないから自分でやりますという人は、私が歩んできた10年以上の失敗を一から自ら一人で行うということである。
非常に時間の無駄である。
それであればしっかりとお金を支払って時間を短縮し空いた時間でさらに自分の学びを深めた方が圧倒的に効率が良い。
お金は後から回収できるからである。
もちろん誰でもかれでもお金を支払えばいいわけではなく相手を見極める力も非常に重要である。
私自身も若い頃は時間よりもお金を大切にしてきたと思う。
しかしあらゆる人生の選択の中でお金を支払い経験を学ぶということは非常に大切なことだと分かってきた。
一番身近なのは本である。
確かにインターネットでは無料の情報が溢れているが、確かな軸とはなっていない。
それよりもその人の人生をかけて経験した数々の失敗談を赤裸々に記した、経営者の本は非常に価値がある。
また講演や研修会も同様である。
ある有名な医師は、様々な研修会に参加し30万円以下の研修はあまり意味がないということが分かったらしい。
お金を支払う意味はもう一つある。
それはお金を受け取った側の意識の変化である。
無料体験にきている生徒としっかりとお金を払っている生徒との向き合う意識の違いは、異なってくる。
お金を払っていないからないがしろにするという意味ではなく、お金を貰っているからしっかりと支援しなければいけないという受け取り側の潜在意識の変化である。
しっかりとサービスをしてほしいのであれば無理矢理にでもお金を支払った方が良い場合が多い。
学びに対するお金の考え方をしっかり理解しないと今後の人生は大きく左右してくる。
これはお金に関する原理原則の一つであると思う。