公務員試験じゃぱん

3度の公務員転職者による、人生における大切なことをお伝えしていきます。公務員試験や仕事内容紹介を超えた人生において大切なことを一緒に考えていきましょう!

「派閥」大都会から地方の転職で気をつける人間関係

私は、地方の山奥で生まれ育ち、大都会東京と地方の市役所を経験したことがあります。

東京特別区では、閑静な住宅街のある区役所で勤務していました。地方は、ある6万人程度の地方市役所に勤務していました。

ここでは、人間関係の「派閥」について私なりにお伝えしていきます。

まず、結論からお伝えすると東京特別区の私が働いていた区役所に派閥はありませんでした。しかし地方の市役所には思いっきりありました。

なぜ都会の役所に派閥が無いのか!?

それは、都会というより規模(職員の数)の違いだと思います。

私がいた区役所だけで職員が約2000人規模で、23区全体では5、6万人はいます。ですので、いちいち派閥なんか作っても意味が無いのだと思います。
派閥がないため、特定の上司や先輩の顔色を伺う必要もなく、言いたいことはしっかり言える環境でした。
ただ、自己主張がしっかり言える環境は、人間関係を第一に考える田舎者としては、違和感があり、少し寂しい思いでした。

反対に、私が務めた地方市役所は、人口6万人しかいない市なので、職員数も300人程度しかいませんでした。ですので、職員が皆顔見知りでお互い良く知っている環境でした。また、地元同級生や住んでいる場所も近いため、プライベートな繋がりも強かったです。雑談は基本地元のプロ野球の話です。

私は、自分の故郷とは違う他県の市だったため、誰も知り合いはいませんでした。そのため、皆お互いに良く知っている環境に、転職者として入るのは正直かなり辛いものがありました。

しかも、転職経験者なら分かると思いますが、受け入れる側も「ようこそ!」とは程遠く、「よそでやってきたんだからさぞかし分かるでしょうね?」という目で見てきますので、丁寧に教えてくれる環境ではありませんでした。

地方生活に憧れる、都会の方はまずここで悩んでしまうと思いますので、都会から地方へ転職を考えている方は気をつけて下さい。
勿論、コミニケーション能力が高く、誰とでも仲良くできる方は問題無いと思います!
しかし、私のように人見知りや、恥ずかしがり屋だと苦労してしまうと思います。

しかも私の場合は、東京特別区に運良く合格した至って標準レベルです。東京での業務内容も、バリバリ改革をして、出世まっしぐら!・・・という訳ではなく、いたって普通だったと思います。
そんな私も、転職する際の面接試験では「今までの役所では積極的に業務に取り組み、課内ではこんな成績が上がりました!これだけの予算を削減しました!」と一生懸命にアピールしました。もちろん、試験に合格しなくては採用されるわけではないので必死です。
しかし、逆に合格すると過大に期待され改革をバリバリするような課に配属されてしまいました。そこで、人間関係もうまくいかないととても苦労してしまいます。私は実際にそうでした。
中級レベルの業務をこなしていた人が、いきなり組織のエリート達が集まるような部署に配属されてしまいます。しかも、大企業のような人数ではなく、ずっと少ない人数の組織に大きく変わるので、人間関係もとても苦労しました。

派閥の話に戻ります。

地方市役所に配属になった私がまず始めに戸惑ったのが「派閥」です。基本、割と縦社会な公務員ではありますが、同じレベルの職であればどの人につくかというのは決めておく必要があります。例えば同じ部署に係長が2人いたとすれば、どの係長につくか。もちろん組織上は、係や役割が決まっていますが、1つの課に係長が2人いるとなかなか厄介です。
私の課では、女の係長と男の係長がおり、基本男女で何となく分かれていました。同じ組織なのに不思議に感じたましたが、ハッキリと分かったのが女の係長の態度の違いでした。

よその課から、男性の職員が相談に来た際はあきらかに冷たい態度でしかも最後に「その物の話し方は気を付けた方が良い。」と意味の分からないところで怒っていました。反対に、仲の良い若手の女性職員が来た際には(恐らく自分の派閥)「〇〇ちゃん!元気ー?これもらったやつだからよかったら食べてね。」と物まであげていました。
 このあからさまな人によって態度を変えるというのは、地方では良く見られていました。そして、その下につく人達も異常なまでに上への気の使いが凄かったです。
 私は、このいわゆる「ゴマすり」が苦手であり、特に東京では自分の自己主張はしっかりする、という態度を刷り込まれてしまっていたので、必要最低限の対応しかしていなかったのがかんに障ったのか、目をつけられてしまいました。
飲み会で「おい!お前ちょっとこい!お前もうちょっとちゃんとやれよー。」とその女性上司の説教が始まりました。私は「ちゃんととは具体的にどういうことですか?」と東京だったら当たり前に使っていた態度をしたところ、他の若手職員が焦っていたのを覚えています。

特に感じたのが、派閥のトップに立つ人はよく人の悪口を言っている事です。暇なのか?と思うくらいそれは繰り返されます。更に、この派閥のトップに嫌われるとトップだけでなく派閥全体を敵にまわしてしまいます。もともと少ない人数のため、それはなかなか辛く、結局他の派閥へと吸収されていきます。
異動に関しても、課長級になると気にいった職員がくるように、人事にねまわしをしていますので、派閥は出世にも影響します。

東京特別区を退職する際、地方出身者の先輩に「地方にいくと派閥争いがあるから大変だよ。俺は絶対に嫌だな〜。」
と言われた事を思い出しました。その時は何となくテレビドラマの中のドロドロした人間関係の話かと思いましたが、実際体験すると確かに大変だな〜、と思いました。


今までは派閥の苦労する点を挙げましたが、反対に助けられた点を挙げます。

地方は、新参者はなかなか受け入れられませんが、時間が経つと徐々に受け入れられるようになります。

私も、2年目くらいになると、ある派閥のトップと仲良くなり、またそれをきっかけに一気に他の人達とも仲良くなりました。何か仕事で困ったことがあると、他の人を紹介され教えてくれました。
この生き方を覚えて、上手く溶け込むとなかなか仕事がしやすくなりました。


ぜひ、都会から地方に転職で来る際は、まず派閥を見極め、自分がどの派閥に所属するかを決め、そのトップに気に入られる事が必要です。その際、少なくても最初の1年は「よそ者」と警戒されているので、諦めて大人しくしていることが大切です。
間違っても、派閥トップに嫌われると、以降は「敵」と見なされますので気をつけて下さい!

地方は、始めは戸惑うこともありますが、3〜5年もすれば少しずつ受け入れられるようになります。
地方は自然も豊かで食べ物も美味しく、物価も安いです。

私は本当に地方に戻ってこれて幸せだと感じています。ぜひ、地方に転職を考えている方も、「派閥」に慣れ(笑)地方を一緒に盛り上げていきましょう!