公務員試験じゃぱん

3度の公務員転職者による、人生における大切なことをお伝えしていきます。公務員試験や仕事内容紹介を超えた人生において大切なことを一緒に考えていきましょう!

消防学校の生活(たこ部屋)

消防士は市や町の地方公務員になります。消防学校は、その年に消防士採用試験に合格したそれぞれの市や町から集まり、都道府県毎に学校が1つあり、その期間のみ一緒に入校します。卒業後はそれぞれの市や町の消防士として勤務となります。

先日、消防学校に入る前の髪型(もみあげ)に関してお伝えしました。
今回は、半年間の消防学校の訓練や授業内容以外の「生活」について焦点を当て実体験からお伝えします。始めに私の感じた事を伝えると「刑務所より辛いのではないか?」と思いました。教官から怒鳴られ、突然腕立て伏せを命じられたり倒れる直前まで走らされたり、精神的に追い詰められる内容の濃さについては、期間が短いとはいえ消防学校の方が辛いと思いました。

まず、部屋についてですが1部屋に7、8人が入ります。大きさは12畳程度の広さに半分が2段ベットで埋まっており、反対側には机が敷き詰められ、部屋の自由空間はほとんどありません。部屋の真ん中に気休め程度のテーブルがちょこんとあります。使用方法は主に腕相撲です。

日中の授業や訓練が終わると、18時30頃からは部屋に入り勉強や筋トレを行います。ベッドは2段ベッドで、一応カーテンは付いていますが音も光も遮らず何のプライバシーもありません。

トイレ、洗濯機、乾燥機はもちろん共同で、特に乾燥機はタイミングを見ないと常に一杯の状況です。時より少しでも取りにくるのが遅いと、我慢できなくなった人が床に放り投げ勝手に使用されてしまいます。

食事後は、基本的にお菓子やカップラーメンなど好きな物を食べても良いです。当然ながら飲酒は禁止です。私はカップラーメンが好きだったので、良く夜に部屋の仲間と食べていました。

私は、東京の役所で働いて27歳で地方の消防士に転職しました。ですので、同じ部屋には高卒の18才など非常に若い人達と同じ部屋になります。私は既に社会人経験をしていますが、先月まで高校生だった18才の子達は、夜になると非常にテンションがあがります。
しかも、自分の部屋だけならまだしも、全体で100名ほどいるので部屋は常に若い人達が出入りして、話たりふざけたりしています。
最初は「若いな~」と笑って一緒に話をしてふざけあったりするのですが、次第に転職組など年齢が高い人たちはその異常なテンションについていけず、少しずつ疲れていきます(笑)

私は当時27歳だったのですが、10代の人達は試験があるにも関わらず部屋で話をしたり、突然腕相撲大会が始まったりします。それも、他の部屋の若い人たちも出入りするので正直勉強どころではありません。次第に分かってくると、イヤホンを付けて音楽を大音量で流し集中するようにしていました。

1週間の生活スタイルとしては、月曜~金曜日まで消防学校に泊まり、金曜日の夜に自宅に帰る事ができます。そして、日曜日の夜にまた消防学校に戻ってくるという流れです。金曜日は、辛い1週間が終わりやっと自宅に帰れるということから、皆めちゃくちゃテンションがあがります。花の金曜日とはまさにこのことです。事務職時代の比ではありません。逆に日曜日の夜は、また辛い訓練が始まるという思いから皆テンションは低く、部屋では特に会話も無くすぐに寝るだけです。

半年間の皆の心境の変化は以下の通りです。

消防学校の心の変化
①入学時=異常に緊張し、お互いに気を使い合っている状況。教官の厳しさに特に転職者は若干後悔する
②1ヵ月頃=徐々にお互いに仲良くなり程よい関係になる
③2か月頃=生活スタイルに慣れ、高卒10代が急に奇声をあげる
④3か月頃=高卒10代のテンションが最高潮に。次第に異常テンションについていけない年長者が疲れ始める。
⑤4ヵ月頃=高卒10代も年長者だろうが馴れ馴れしい態度を取り嫌がられる。ストレスからか喧嘩や嫌われる人が出始める。
⑥5か月頃=人間関係が落ち着き始める。卒業を次第に意識し始める。
⑦6か月頃=間もなく職場配属になる緊張感から急に高卒10代が大人しくなる。鬼のように怖かった教官がだいぶ優しくなる。
⑧卒業時=感動でお互いに泣きながら握手をしたり、教官と記念撮影をする。しかし、冷めた顔で各職場からバスで迎えに来た先輩が場をしらけさせる。


以上が消防学校の生活と心境変化についてです。

今後もまた、詳細をお伝えしていきたいと思います。