公務員試験じゃぱん

3度の公務員転職者による、人生における大切なことをお伝えしていきます。公務員試験や仕事内容紹介を超えた人生において大切なことを一緒に考えていきましょう!

3度目の公務員(市役所)を退職した理由は給料(お金)が原因

「私がなぜ公務員を3度退職したか」、「私が地方消防士を退職した理由」に続く第3弾!
ついに、最後の3つ目である市役所を退職した理由について述べたいと思います! 

実は、ここを退職した理由こそ皆さんに知っておいて頂きたい重要なポイントです。
特に転職で公務員を目指している方は必ずご覧下さい。とゆーか見ておいた方が、私のように入ってもすぐ辞めるような事態にならないと思います。更に、もし家族がいるなら家族のためにも絶対見て下さい!

結論から言います。って言っても既にタイトルにも出ています。そうです!お金なんです。ようするに、給料が低過ぎて辞めたんです。
今後、私のように辛い思いをされる方が少しでもいなくなれば、という思いから赤裸々にお伝えします。

前回のブログでお伝えした通り、私は相当熱い思いを持ってこの3度目の公務員転職先である市役所に行きました。しかし、2年で退職することになりました。そう、原因は100%給料、お金が想像よりも安すぎたということです。

当時、私は結婚して30代前半。小さい子どもも1人おり子育てのため妻は専業主婦です。私は、今まで公務員を転職する際に給料のことはあまり考えていませんでした。正直、公務員は元々低いものだと思っていましたし、公務員から公務員に転職する際は、職歴がそのまま加算され給料は以前より落ちるということは無いと思っていました。東京の役所から地方の消防士に転職した際も、実は給料は若干上がっていました。1万円弱だったと思います。公安関係は、事務職に比べ若干高く設定されているようです。
私は、東京での役所の経験も長いですし、さらに職種が違うとはいえ消防士としても3年間経験があったためもしかしたら給与が若干上がるのではないか?あるいは若干下がってもしょうがないと思っていました。

ところが、4月1日の辞令交付式の前日にその年入る新人職員が全員集められ、翌日の辞令交付式の練習や各種手続きで集められました。そこで、明日の辞令の写しを渡されました。そこには、給与も記載されています。

その給与額はなんと、、、、

「19万円」


私は目を疑いました!!


ん??これは、写しだから明日の辞令交付式ように適当な額を記載しているだけだろう。30代で基本給が19万円だなんて、新卒じゃあるまいし。いや、民間の新卒でももう少し高い。まして10年以上公務員を経験してきた自分がこんな給料な訳がない。

でも、、、。もしこれが本当なら、、、。妻と子を養っていけない。

私は血の気が引いていく思いをしました。私は、その辞令の写しを持ち人事担当者へ確認に行きました。
「すいません。ここに給与額が記載されてますが、明日の辞令交付式では本当の金額が記載されているんですよね。」と尋ねると人事担当者はすぐに「そこに記載されているのが本当の金額ですよ。」と回答しました。
「19万円と記載があるのですが、私は基本給が19万円ということでしょうか?何かの間違いではないでしょうか?」と更に尋ねると「いいえ、その金額で合ってますよ。」と言われました。

私は愕然としました。

この話を民間経験者の方が聞くと疑問に思うようです。「採用される際に、面接とかで給与額言われなかったの?求人票にも普通書いてあるでしょ?」と思いますよね!?当然、公務員の採用試験案内にも記載されています。ただし、記載されているのは新卒の基本給のみです。転職者は「その者の職歴加算による。」とだけあります。また、例として30代や40代などの平均的な給料が載せられています。ですので、転職者は新卒の給与と、例として載っている平均的な給与からおおよそを想像しなければなりません。はっきりとあなたはいくらです、とは4月1日にならないと分からないのです。
しかも、恐ろしいことに例として載っている平均的な給料はあくまで新卒として採用された人がその年齢に達した際の給料であり、転職者は例外なのです。
通常は100%で上がっていきますが、転職者はその自治体の規則により職歴が加算されます。なんと、この自治体は民間であろうが、公務員経験者であろうが一律に80%とされてしまったのです。

さらに、この自治体は周辺の自治体に比べもともと給料が低いのです。その大きな理由は「組合」が無い事です。なので、人事が決めればどんどん給料は下がります。組合があれば、ある程度、下げないよう交渉もしてくれるのですが、組合が無ければ人事のいう通りどんどん下がります。

私は運が悪いことに、もともと民間に比べだいぶ給料の安い公務員が、更に組合が無い自治体で周辺自治体よりも低く、そこへ転職者に不利な職歴加算の給料計算によるトリプルパンチにより、私の給料はワン―、ツー、スリー!と下げられ30代前半にして19万円という新卒初任給と同等かそれ以下の給料まで下げられてしまったのです。

入ってから分かったのですが、この自治体は毎年若手が多く退職することが問題になっているようです。東京特別区で働いていた際には、3000人規模の区役所で、7年間で30人の同期が辞めたのは私1人だけでした。しかし、300人程度のこの小規模な自治体は毎年5人ほどが退職しており、公務員なのにブラックと呼ばれていたそうです。民間の転職者も毎年多く入れていたのは、ある意味納得でした。

私は、地方のためにとことん働く!という熱い気持ちで前日までいましたが、この給料を知ってからは愕然とし、家族を養っていけるだろうかという思いで頭がいっぱいになりました。
正直、1週間の研修はまったく頭に入ってこなかったです。同期同士の挨拶の際も、ずっとお金のことを考えていました。

それでも、「いや、お金のためじゃない。被災した地方の人たちのために働くんだ!それが公務員の誇りだ!お金は何とかなる。」と自分に言い聞かせ仕事は精一杯働きました。

1ヵ月が立ち、初任給が入りました。基本給は19万円ですがその他にも手当がつきます。通勤手当や家賃手当、扶養手当など。それで約24万円。そこから税金や年金、保険が引かれると結局基本給と同じ程度の手取りになります。そこからアパート代金の7万5千円。光熱水費が約3万円。交通にかかるガソリン代が約2万5千円弱(地方は一人1台のため妻の分も含む)食費が約3万円程度。おむつなど雑費代が2万円程度。携帯やネット料金で2万円程度。
上記の金額だけでも最低かかります。しかも、結構切り詰めています。外食やお出かけなど一切できません。新聞も取れません。飲み会もいけません。何も身動きが取れない状況です。この身動きができない状況でさえ赤字です。病院代や洋服代、髪を切るなどすれば更に赤字になります。

研修で「新人は新聞を取る事。3000円なんてケチってはだめ。」と言われた時は怒りを覚えました。そして同期からの飲み会は全て断っていました。

やばい。。。どうしよう。

貯金を切り崩しながらの生活が始まりました。

ここで、更にこんな疑問が出てくると思います。

他の職員はどうしてるの?他の人たちも生活できないの?と思われると思います。昔からいる職員が大丈夫な理由は3つ。1つ目は、転職者より新卒で入った方が給料が高いのです。先に述べたように転職者の給料は8割です。さらに2つ目の理由は、結婚している人たちは奥さんも働いている、ということです。
当然、私たち家族も働きたかったです。しかし、子どもが小さかったため当然仕事に就けず。仕事に就けないから保育所にも預けられずで、要するに働くことができません。3つ目は、地元の人たちは親や親せきの家や土地をもらっているため家賃代がほとんどかからない、ということです。

私たちも真っ先に家賃を下げることを考えました。しかし、他の若干安いアパートに引っ越そうにも敷金、礼金代がそもそも工面できません。そこで考えたのが「県営住宅です。」さっそく申込み、抽選会に参加しました。結果は落選。震災直後ということもあり、倍率が高くとても入れませんでした。そして、「公務員」という職のせいか、優先順位は恐らく下げられました。

給与が低いのに、公務員だから県営住宅にも入れない。公務員だから副業もできない。赤字の給料なのに、公務員の「安定」とは何だろうと思いました。

そして、貯金も切り崩すだけでは間に合わず、妻の実家から仕送りをもらうはめになってしまいました。

私はますます、仕事に身が入らなくなってしまいました。自分の家族も養えないのに、他の人のために働くことができるのだろうか。そうネガティブな感情になっていきました。

私のネガティブな感情は、どうやら仕事の態度にも出ていたようです。上司の当たりがだいぶ厳しくなってきました。「新人のくせにあまりやる気が感じられない。」という対応がありありでした。この役所が毎年大勢辞めていく理由が分かりました。上下関係が以上に厳しいのです。

まず、人事主催の研修会で驚いたのは「新人は1時間前には出勤し、先輩方の机を拭き、全員のお茶を入れること。」というものです。私は強制することではないのに、、。という思いでしたが、消防時代の縦社会である程度慣れていましたので受け入れることができました・・・。いや、嘘です。なんで俺がこんなことを!職場には同じ年齢のタメもいるじゃないか!せめて交代でやってくれ!なんで俺一人で20人分毎朝やらなきゃいけないんだ!しかも、誰か一人くらい「そんなことしなくていいよ」って言ってくれればいいのに、皆お茶を受け取る際あたり前のように受け取っている!と感じていました。
そして、人事課の職員がある日「新人はバリバリ残業して、バリバリ仕事してもらう。」と言っていました。残業する=仕事のような考えのようです。他の課の職員が言うなら分かります。人事の職員が口にしていたので、なんか考え方が違う・・・と思ってしまいました。

以上のような理由から、私はこの市役所を退職することにしました。ここでは、仕事の内容が嫌だとか、上司の関係が嫌だとかそういう次元ではなく、「単純に給料が低すぎて食べていくことができないため」退職することになりました。

あと、2,3万円だけ給料が高ければギリギリ生活できたと思いますので辞めていなかったと思います。ちなみに、あと2,3万円給料が上がるためにはここから10年間勤務しないと上がらない計算でした。それを知ったのもモチベーションを下げる要因だったと思います。


今回の転職で学んだことは、「公務員に転職する際は会社を辞める前に給料を確認すること」です。公務員試験に合格した後に、人事課に確認すればもしかしたら教えてくれるかもしれませんし、規則に掲載されている計算式から計算することも可能だと思います。

転職先の給料は絶対に確認することをおすすめします。きっと〇〇だろう。という安易な想像は危険です。

また、今回の市役所はたまたま組合がなく、たまたま自分にとって不利な経歴の計算方法でしたが、他の自治体が全てそういう訳ではありません。中には組合がしっかりと機能していて給料が極端に低くない自治体もあるでしょう。
また、この自治体でも転職して十分満足できる人もいると思います。家庭環境や考え方は人それぞれですので、私はこの市役所がブラックだとは思いません。
きちんと給料を確認しなかった自分が悪い訳です。

今回の転職失敗で「お金の大切さ」を知る事ができました。どんなに理想があっても、自分や家族を養う分稼げないと意味が無いと思います。

お金なんかより、世のため、人のためだ、という考えで家族に苦労をかけてしまうような考え方は、私は反対です。そんな状況で、パフォーマンスは十分に発揮できないと思います。

ぜひ、転職する際は「給料を確認すること」を怠らないよう気を付けてください。