地方の消防士はスーパーマン
私は数ある転職の中で、地方の消防士をした事があります。
漫画、め組の大吾に憧れ、あんな消防士になりたいと思っていました。
沢山ある濃ゆい経験の中で、初めて火災出場した時の話をします。
なぜ地方消防士はスーパーマンか?
それは、全部やるからです。
全部とは? 全部です(笑)
順に説明します。
まず、私の勤務していた署では、その日の役割が日替わりで変わります。
大きく①救急隊、②消防のポンプ隊、③消防の後方隊(水を大量に積んだ後方支援)に分かれます。
もちろん、救助(レスキュー)が発生すればレスキュー隊に変身もします。
東京消防庁など大きな大都市の消防士はそれぞれ役割が分かれています。しかし地方は全てやらなければいけません。
レスキュー隊は特に花形で選ばれたものしかなれませんが、地方では1年目からすでにレスキュー隊にもなります。
またそれだけではありません。火災が終わった後の現地調査も自分たちがやります。
さらに、119番を受け付ける緊急指令室も夜間の時間は我々も行います。
私が初めて火災に出場したときの話です。
まず私が夜間緊急指令室で119番を受け付けました。それはあるところで火災が起きているというものでした。
詳細は他の指令室の職員にバトンタッチし私は急いで自分の当番である救急車に飛び乗りました。
そして、現地に行きまだ救助者がいないとわかるとすぐに消防服に着替えポンプ隊員に変身します。
そして消火活動を行った後に、怪我人を搬送すると分かったらすぐさままた救急服に着替え救急車で病院まで運びます。
そしてすぐさままた現場に戻り消火活動を手伝います。これが朝方まで続きます。朝方になったら今度は現地に調査をしに行きます。これがだいたい昼頃まで続きます。
そこから帰って何もなければいいのですが、運悪く火災や救助などが発生すると、非番招集と言ってまた職場に戻されます。それが夜中の1時だろうが2時だろうが関係ありません。
都会の消防士に非番招集がしょっちゅうある話をすると驚かれます。しかし地方では当たり前です。
単純に人が足りないのです。
以上のように地方の消防士は事務方から現場まで全てをこなさないといけません。
一つのことをとことん深めて専門的になるのか、オールマイティな対応ができるスーパーマンになりたいかは、本人次第だと思います。
しかし、その分とてもやりがいのある仕事であると思います。
私はこの仕事をしている時は本当に心から自分の仕事を誇りに思っていました。
一度きりの人生、もし夢見ている方がいたら是非挑戦してみてください!
満足したら私のようにまた転職すれば、人生の大きなネタになるので問題ありません(笑)
とゆーか、日本人の男子は一度消防士や警察官、自衛官のようなところで2、3年鍛えるのもありかなと思いました。
今の事務職で、若造が年上の人に舐めた口を聞いているのは消防士の経験がある私からはとても信じられません(笑)
研修制度で取り入れてみるのもいいかもしれません。
パワハラとかそういう次元ではありませんから。生きるか死ぬかですからね。
一度魂で仕事をするということを味わってみるのも事務職には大切なのかもしれません。
もちろん事務職や他の職種でも魂で仕事をしている人はたくさんいます。
そんな気持ちでみんな取り組めばきっとより良い日本になっていくんじゃないかと思います。